*第2回 講演会 「まぼろしの映画館」 2018年9月12日(水)
講演会場
新年度から社友会の新たな取り組みとして、会員の幅広い知識と行動を誘うことを目的とした講演会を不定期に開催しておりますが、9月12日(水) に2回目を開催いたしました。会場はOHK本社α、参加者は10名。
今回のゲストは「瀬戸内シネマ散歩」の著者鷹取洋二さん。すでに著書も3冊になり、次の「本」出版に向けて資料収集や聞き取りと取材で東奔西走されている中、お時間をいただいたものです。講演のテーマは「まぼろしの映画館」。
(定期的にお届けしている「OH!友会通信」の前回の寄稿エッセイ「記憶遺産としての映画館」を更に詳細にしたものです。)
プロジェクターを使用し、映画館について調べるきっかけになった消えた劇場―津山明宝会館と「瀬戸内シネマ散歩V」に記載されている昭和32年の映画「集金旅行」からスタート。ロケ地を生かした地域活性化の新聞記事。そして、お話は昭和30年代の映画全盛時代に。映画館数が一番多かったのは昭和35年で全国に7,457館。岡山県にも138館あったそうです。その138館すべてを訪ね歩いたと鷹取さん。その138館の中から津山(7館)
や高梁(4館)など各地にあった当時の映画館の写真を交えながら講演は進みます。
その写真と説明から<映画館>は庶民が集まる駅前の、市街地の、商店街の中心にあったことがわかりました。それは昭和30年から40年にかけての庶民の生活史でもあるとー。
一館一館丁寧に取材された内容は興味深く、消え去ったものへの今の記録。残さなくてはいけない映画文化。地域やその時代を感じるとることができました。 更に、参加者の当時の幼いころの記憶も手伝ってか質疑応答も盛り上がりを見せ、予定の1時間では足りませんでした。
鷹取さんの消えた映画館の跡地を訪ねる旅、映画への熱い想いが詰まった次の「本」は来年の春ごろ発刊の予定だそうです。タイトル・発売日等詳細が決まり次第みなさまにご案内いたします。それにしても楽しみです。
西村英子