OH!友会  



俳句をはじめて  
行本章允さんからの寄稿



 「震災のニュースしきりに春の午後」

これは今年
4月、俳句講座受講初日に出句(創った俳句を講座日に提出する)した7句のうちの1句で、主宰の先生から「長閑な春の午後なのに、未曾有の東北大震災のニュースに痛む気持ちが良く表されている」との講評とともに選句(選句は主宰の先生、受講生が気に入った俳句を選ぶもの)を頂いた私の文字通りの処女句です。

 俳句は17文字で表すもっとも短い文学だといわれ、必ず季語を入れるのが規則です。

予め俳句に関する本を読んだり、テレビの俳句番組を視聴して私なりに勉強をしておりましたが、まさかはじめての句会で選句されるとは思ってもいなかったので、すっかり舞上がってしまいました。次回の講座が待ち遠しい気持ちで句作に励みました。

 そうして臨んだ二回目の講座日。出句した7句すべてが選句されませんでした。
その上、「五月晴れ日課のウオーク応援す」と自信を持って詠んだ句が“五月晴れ”は梅雨の合間、晴れ間をさすもので、五月の良い天気をいうものではないと指摘されました。

 俳句は難しいものです。主宰の先生も俳句が本当に面白くなるのは、やはり3年はかかるのでは・・・と言われました。

 こうして講座通い5ヶ月。8月はじめの講座日。

「被災地の球児達にも夏来る」と「復興も願ひて夏の甲子園」

(注 “願ひ”は“い”ではなく、文語体で記するため)の2句が受講生から
2人、主宰の先生から選句と3点句となりました。この喜びが覚めやらぬ8月下旬の講座日。

「熱戦を終えて処暑の甲子園」と詠み出句。しかし選句は皆無でした。

主宰の先生は「処暑を残暑にしたら選句したかも」と言われました。
822日の処暑のときは文字通り暑さもやわらいでいましたので、私はあの球児たちの熱い戦いの舞台、甲子園も今は涼しく静かだという気持ちで詠んだのですが、主宰の先生は「まだまだ暑い」と。俳句は読み手の意図と選句する側の取り方が違う場合があることも学びました。

 9月。「アイアンを振りぬく先に赤蜻蛉」「蟋蟀や子守唄とし孫眠る」「菅笠の二つ並びて秋遍路」の3句が主宰の先生から選句。

特に「アイアンを振りぬく先に赤蜻蛉」は

主宰の先生曰く「これが野球のバットなら駄目です。芝と木のあるゴルフ場だから赤蜻蛉に風情があるのです」と講評を頂きました。

 俳句は奥深いものです。漢字や言葉の勉強にもなります。季節の移ろいが良く感じるようになりました。

“選句されるかされないか”に一喜一憂することなく、句作に励もうと思っています。




自然の移ろいに心眼をむけて句を詠む。

忙しさの中でも

ひとときの安らぎとやさしさ

人間性を取り戻せるような気がします。


寄稿ありがとうございました

 




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