OH!友会
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★ 福眞吟子さんからの寄稿 |
外国人と共に日本語を学ぶようになって3年になります。
そもそも間違いの元は、頭も使い、その上老後の楽しみにもなるものはないかと、日本語教師養成学校の広告に目を止めたことでした。
入学時、早や58歳でしたので、「もう、締め切ったのですが、特別に入れてあげます。」
(年寄りは無理だよ、しかし売り上げになると思った)
カウンセラー(実は営業マン)にだまされて、665,000円也を払い、1年半通って資格を得ました。
国家資格でも何でもないのですが、業界の組合みたいなものがあるらしく、そこの取り決めをクリアしないと、
日本語教師として業界では働けないことになっています。
取り決めとは
(1)4大卒以上の者が組合員の学校で420時間、日本語教育講座を受講する
(2)組合が施行する日本語教育能力試験に合格する
(3)大学で日本語教育を専攻する、の三つのうちの一つ以上が条件です。
私は(1)のみをクリアしました。(2)は1.5点足りなくて失敗。この試験は上から18%ぐらいしか合格しません。
それでも大学院博士課程並みのきつい講義を420時間、泣き泣き受け、無事卒業できました。
クラスでは一番年長で、あだ名はローバ(老婆)でした。
クラスメイトは英語圏留学落伍者、フリーター、キャリアウーマンを目指したが、
仕事も結婚もダメそうだと予想している30代のOL等が大半です。
希望に燃えた入学時には、老後は楽しみながらお小遣いも稼げると、ほくそえんでいた私でした。
ところがそうは問屋が卸さないということが、徐々に明るみになってきたのです。卒業しても仕事はありません。
全国にこの手の学校はゴマンとありますが、就職できる人はほんの一握りです。
三条件をクリアした人でも、経験者優遇ですから、そんな人がどこにいるのですか、とクラスが進むに連れて、皆怒り心頭。
救われたのは教えてくださる先生方が、皆さん立派な方だったことです。先生方も学校にだまされて安い給料に甘んじているようでした。
そんなこんなで665,000円の元を取るべくしつこく食い込み、やっと臨時講師の職を得、
ほとんどボランティア同様の時給で、週2回教えています。
概ね、あちらの高校を出たばかりの子達が対象です。
純粋にボランティアとしても、区役所で教えています。
こちらは大人が多いですが私よりは勿論若い人たちばかりです。
☆日本語教師をやってみてよかった点 |
(1) | この年になると日本の若者は相手にしてくれないが、外国人は仲良くしてくれる。 |
(2) | 遠くまで出かけるので、都内の電車やバスの路線に詳しくなる。 |
(3) | 下調べをしなければならないので、国内や海外の情報に詳しくなる。 |
(4) | 2年連続「杉並外国人スピーチコンテスト」で、私の生徒が優勝したこと。 |
☆うーん、ちょっと…….と思ったり、いろいろ。 |
(1) | お金がかかりすぎる。 (教師としてもらう雀の涙の賃金とOHK時代に掛けた厚生年金では資本が不足がち) |
(2) | あまりにも勉強しないし、自分の国のことを知らない子や自国語が満足に話せない子が多すぎて疲れる。 (日本人の若者もそうですね) |
(3) | 日本人と国際結婚している主婦は友達がいないので、かわいそうといつもこちらが悩まなくてはならない。 |
(4) | 別れが悲しい。 |
<経験から得た結論 ? 声を大にして言いたい> | |
外国の西も東も分からない若者に「働きながら学べます」と言って連れてくる日本語学校。
「留学生が増えているから、働くところは十分あります」と言って
高卒や年寄りを入学させる日本語教員養成所。
どちらにしても学校と名のつくところは、金儲けしか考えていないところです。
勿論一般の私立の高校、大学然りです。
665,000円の元を取るまでは頑張りたいと思います。
それにしても果たしてこれから何年かかることやら。
−中国人留学生・靖国神社で− | −タイメン鉄道(C56)− | ||||
中国人留学生のたっての願いで靖国神社に参拝。戦犯だけが祀られていると思っていた彼等に
戊辰戦争からの歴史を聞かせました。不満ながらも、やや納得をした模様です。
右の機関車は、本殿脇の遊就館に収められているタイメン鉄道のC56(本物)です。
OHKのドキュメンタリーを思い出しますね。
−福眞さんの生徒さん− |
ボランティア教室に通ってくる仲良し3人組。三の酉に新宿の花園神社に行きました。
国籍はカンボジア人、中国人、香港人(自分では決して中国人とは言わない)ですが、
共通語は日本語です。記念撮影用に外国人だからと、高価な熊手を持たせてくれました。